平成16年 5月臨時記者会見
・ と き ・・・5月27日(木) 午前11時00分から
・ところ ・・・市役所4階 会議室
・出席者 ・・・砂川市長、石黒助役、安達農務部長、斉藤次長
報道関係ほか
・テーマ ・・・有害鳥獣駆除対策に伴う公金処理について
●定例記者会見に先立ちまして、突然で大変恐縮ですが、市の職員によります不正な公金の支出が行われていたことが判明しましたので、この場をお借りしまして、市民の皆様にご報告させていただきますと共に、報告に先立ち、心からお詫びを申し上げたいと思います。
事の発端ですが、先日、猟友会関係者からキツネ駆除に伴う駆除員の出動報酬について不正の疑いがある旨の情報提供があり、直ちに農務部長を中心として関係各部において、担当職員に説明を求めると共に、キツネ駆除に際してご協力を頂いております猟友会帯広支部に対しても、担当職員が当該事務に携わっていました平成13年度から15年度までの関係書類を中心に過去5年間の書類について精査しました。
その結果、平成15年2月・3月分の報酬支払事務において、市職員によります架空書類による3名の嘱託職員名義を借りた総額33万3,450円の支出が行われていたことが判明したものです。
詳細につきましてはこの後、農務部長から説明させて頂きますが、いずれにいたしましても大切な公金をこのような形で支出するようなことは決して許されるものではなく、関係職員には厳正に対処したいと考えております。
なお不正に支出されました嘱託職員の報酬は猟友会帯広支部の機関に受領委任されていましたことから、昨日、同支部から全額返還したい旨の申し入れがあり、これを受領しました。
このたびの件では、行政執行に対する市民の皆様の信用を著しく失墜させる結果となってしまいました。この場をお借りいたしまして心からお詫び申し上げますとともに、私を始めとし、市職員挙げて市民の皆様の信頼回復に努めて参る所存です。誠に申し訳ありませんでした。
・安達農務部長から補足説明。
平成14年度のキツネ駆除費の事務処理において、33万3,450円の架空の出勤簿に基づく報酬の支出がありました。
平成16年5月21日に猟友会関係者からキツネ駆除に伴う駆除員の出動報酬について不正の疑いがある旨の情報提供を受け、同日農務部農林課林政係の担当者に事実を質したところ、架空の書類による支出を認めたものであります。
平成15年3月に猟友会所属の嘱託駆除員3人からの平成15年2月と3月分の出動費の支払い要請に対し、出動出勤簿に基づき、出動日数45日、出動報酬日額7,410円を乗じた金額、33万3,450円を支払ったものでありますが、帯広市の出動要請が存在しておらず、担当者に確認したところ、出動要請無しで事務処理をしたことを認めたものであります。
このため、担当者が当該事務に係っていた平成11年度から15年度の5年間の駆除出動実態の調査を実施するとともに、担当者本人並びに猟友会関係者に事実確認を行いました。出動実態調査においては、市からの出動依頼書、本人の出勤簿、捕獲交付申請書、動物霊園の引受書、猟友会への出動内容報告書により捕獲した日と出動した日の関係や出動回数についての整合性について調査しております。
この結果、平成15年2月と3月分についてのみ、一人当たりの出動回数が他の事例より多く、捕獲実績も無く、かつ出動依頼書が存在していないことが判明しました。他に、このような疑問が生じるものは出ておりません。
次に、担当者に事実確認したところ、年度末を迎えキツネ駆除費の予算に残額が生じていることから、空港のカラス、トビ捕獲用のワナの購入費用をキツネ駆除の報酬から支出することとし、予算残額の範囲内で必要な額を請求するよう猟友会関係者(帯広部会長と事務局長)に指示したとの事でありました。
支出に当たっては、猟友会事務担当者に架空の出勤簿を提出させております。なお、平成15年2月と3月分以外に根拠のない支出はない、ということであります。
次に、猟友会帯広部会の関係者から事情をきいたところ、役員交代のため、平成14年の11月か12月に市役所を訪れた際、市の担当者に、カラス、トビの帯広空港でのハンターによる駆除は成果が上がらなかったことから、部会の方でワナを1基作る話をした。担当者の方からは、キツネのお金があるので、これを有効に使うようにとの話をされ、その指示に従ったとのことであります。
農林課の職員が本来、委託料で検討し、正規に予算要求して支出すべきカラス、トビのワナの経費を、残額があるからといってキツネの駆除に係る報酬から支出したことは、不正な公金の支出であり、極めて不適切な事務執行であります。かつ、私どものチェックも甘かったことについて、心からお詫び申し上げます。
すでに、市が支出した報酬は、昨日、猟友会帯広支部から全額返還されております。市民の皆様の信頼に背く事務処理が行われましたことに、深くお詫びを申し上げます。
<コメントに係わる質疑> (要旨)
報道:市職員の方は、別な会計で支出することが出来るという不正な処理のアイデアをいつ相手に持ちかけたのか。また、その話をした理由、動機は。
次長:カラスやトビなどの鳥の駆除については、農林費の「委託料」という費目の中で、また、キツネの駆除費は衛生費のエキノコックス対策の中で予算計上されています。事務の執行につきましては、いずれも猟友会にお願いしている関係で、農林課が衛生費の分の事務委任を受けて執行しております。
過去の経過を調べますと、平成14年の11月か12月に猟友会の方が来庁され、帯広空港でのトビやカラスの捕獲について、銃で行ったところ効果がないので餌をつけた罠が仕掛けられる檻を作って捕獲をしたいというお話がありました。そして、その費用については自分たちで対応するというお話を聞いたので、職員は、「それなら、キツネ駆除費に予算残があるので、それを有効に使用しては如何でしょうかと言う事で、指示をしたということであります。
報道:その時、市側は主任1人が対応し、相手側は部会長と事務局長がいらっしゃったのですか。
次長:そうです。それから書類を作成した時に、部会長さんがその場に居られたのかどうかの確認はとれていません。事務局長さんを通じて書類が市に提出されたということであります。
報道:架空の出勤簿に3人の嘱託駆除員の印鑑が押されていたわけですが、3人に了解を得たのはいつですか。
次長:事務局長さんのお話では、3人の印鑑を使用したことについて、事後承諾を含めて3人にお話をしたと伺っております。
報道:架空の出勤簿で支出したということだが、支出にあたっては、何人の方が決裁をするのか。
次長:本人と課長補佐と農林課長の決裁で支出をしております。
報道:空港のカラスの駆除は実施されたのか。
部長:猟友会の経理簿を見せていただきました。それで平成15年度に入りまして、平成15年の10月に檻を購入しておりますが、これは自分たちの会費で購入したと伺っております。
報道:市長から関係職員に厳正に対処すると言われましたが、関係する職員が何人で、どういう処分をする方針なのか。
市長:今、担当の職員と、それからどこまでの職員が対象になるのかについては、これからの作業になります。ただ、厳正に対処する姿勢で望みたいと考えております。公金の支出ですからきちんとした手続きが必要な事は、その通りであります。
市職員の仕事の基本的なルールがおろそかになっているということですから、やはりあらためて研修していくことが必要ですし、感じているところです。市役所全体の仕事のやり方に対して市民の皆さんの信頼感を失うとか不信感をいだくことにつながりますからね。
(以上で記者会見を終了)
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