※文末記載の「後記」再掲
おかげさまで当該「マタギ特区」案は却下されました。
拙コラム 欄過去ログに戻る※2003年12月27日付(「マタギ特区」案は却下されました♪」 及び同12月31日付「同♪(2)」御参照。
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以下は「マタギ特区案」への反対意見5 通分です。首相官邸内当該部局(責任者・金子一義構造改革特区担当大臣)に 送付しました。

一通目送付内容

マタギ特区は大いに疑問。

1、特区の直接受益者は例えば限られた趣味狩猟者(日本に実質、職業猟師は皆無)に限定されるのは
おかしい。間接受益が公益であることも以下に述べるようにまやかし。

2.プロ猟師を今後生む可能性が出てきます。そうなれば環境省など別行政が時宜に応じて保護政策
をしようとしても例外措置をおいたり(保護政策が)実現不能となる可能性あり。

3.「農作物被害」での駆除は現行の有害鳥獣駆除の枠内でいいではありませんか。なぜ、わざわざ
特区にて猟友会優遇政策を行政が行わなければならないのか国民はいぶかしがりますよ。猟友会・
趣味狩猟者の行為が広範な国民から市民権を得ているとは考えにくいですね。
また、昨今の頻発する狩猟者犯罪を考えてもみてください。

4.なにか食品衛生法がらみでも、衛生的に危険性をはらむ野生獣肉普及を画策する猟友会の思惑どおりの特区提案ですね。
現行の「自己解体の場合の換金行為は食品衛生法による食肉処理業の許可を必要とする」(趣旨)は日本の食肉行政の良心だと思います。
またそのぶんそれらが寄与し、獣肉による病気感染などという余計なトラブルもわが国では諸外国に比べたらほとんど
ないのです。一方、狩猟の現状を鑑みた場合、かかる無許可換金行為は多いものと思われます。当該「特区」はその分野でも同法の弾力運用(骨抜き化)の先鞭をとる可能性がありますね。

5.将来、ニホンカモシカからクマなどその他の鳥獣へも認可の先例と
なる可能性ありです。(クマなどをも特区に加える)理由などいくらでもとってつけることは出来ましょう。
猟友会系の国会議員や地方議員も暗躍しましょう。
畢竟言いたいのは、撃つ・撃たせないは現行の制度の範囲内でその時の行政や学識経験者などが決めたらいいわけであって、
この「特区」で猟友会にお墨付きをなんでわざわざ与えないといけないかということです。
国の行政の分別・卓見に期待しております。マタギ特区認可は反対!
認可すれば悔やまれる結果と容易になりましょう。

以下は蛇足 こちら
学校敷地内へ逃げこんだニホンカモシカの発砲は完全に違法行為・犯罪です。
私が居住する狩猟監督行政に問い合せたところやはり「行政公認の有害駆除中の時間内であれ、違法は違法。行政からの委託中の
勃発事項ということで法的に免罪になることなど決してない」との御回答でした。
>(回答)鳥獣保護及び狩猟の適正化に関する法律第38条
>(銃猟の制限)及び銃砲刀剣類所持等取締法第3条の13
>(発射の禁止)に基づき、銃の使用については規制があり、
>これは狩猟でも有害鳥獣駆除でも同様に適用されます。

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ニ通目送付内容

>◇鳥獣保護法緩和、狩猟期間を延長 > 阿仁町の「マタギ特区」は、独特のマタギ文化を伝承し、
>観光振興を目指す。鳥獣保護法の >緩和で猟期を11〜2月から11〜5月に延長し、
>春グマ猟を復活させる。

高貴薬の原料、熊の胆目当ての狩猟者も多々いますし、クマ狩猟といえば全てがそれでありましょう。それらは密売を含め国内外に
取り引きされています。(詳細はご要望あらば別途述べてもよろしい。) 猟友会が口でいくらもっともらしい美辞麗句を述べても決して国民からの幅広い理解・支持がもらえないのはそのあたりの欺瞞性も 原因しているのかとも考えます。

熊の胆(ユウタン)に関しては こちら
ご参照。(私は上記団体を含め各自然保護団体とは一切関係ありません)

※なお、上記、URL画面文中に
>日本国内で有害獣駆除されたクマの胆のうの売買は違法ではありません。
とありますが、実際はハンターらによる一般への熊の胆の販売行為そのものは薬事法 違反です。 熊の胆は別名ユウタンとも言いますが、日本薬局方収載でありいわば厚生行政の扱い は正真正銘の医薬品。
当然、薬剤師などの資格を持たないハンターの製造・販売行為は薬効を謳う謳わない に関係なく薬事法違反です。(薬剤師ハンターであっても熊の胆に関連する製造・配合などの許可がない場合は違法。)
有資格の仲買・製薬業者への原料としてのみの水洗い&単純乾燥の販売でない限りは違法になります。また、当然少しでも手の込んだ乾燥行為は製造行為に該当し違法であることはいうまでもありません。
水洗い&単純乾燥の場合でも一般への販売は違法。一般はあくまで薬としてみなし薬として使用しますから。加えて一般への無資格加工等の誘引ともなりかねません。
そして無資格譲渡もまた違法。したがって、ハンタ-らの無資格での熊の胆販売・譲渡行為は上記の許容部分を除けばすべてが「密売」、加工行為は「密造」ですね。 上記にURLを紹介した、自然保護団体JWCSには私が掌握している複数の密売の具体的事実の情報提供とともに薬事法違反のことは既に申し上げています。

それから国会でもクマおびき寄せの自作自演劇は問題となっています。 )
以下は 第145回国会  参議院国土環境委員会会議録第11号
鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の一部を改正する法律案(審議)
平成11年4月20日(火曜日)午前9時2分開会 からの抜粋。(小川勝也議員は民主党参議院議員で北海道選出)
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●小川勝也君  私もすべてのハンターのモラルが低下しているとは全然思っておりません。保護あるいは駆除、それから
当然ハンティングを楽しむ人たちもたくさんいるわけですから、これをすべて猟友会任せにしていいのかという懸念がございます。
今の死体放置の問題は、直接今回の法案には関係ありません。次からが問題であります。
クマ寄せの儀式を御存じでしょうか。
●政府委員(丸山晴男君)
 文献で承知いたしております。
●小川勝也君
 どういうことかといいますと、これは北海道だけだと思いますけれども、よく何々地区にクマが発生しま
したというニュースがすぐ流れるんですね。ところが、僕はハンターではないものですからよくわかりません
けれども、クマを撃ちたい人はたくさんいるらしいんです。それもただ撃つのではなくて、クマが出てきて
それを射とめたハンターとなるとヒーロー扱いされるわけです。
これは内部告発の文書ですけれども、クマ寄せの儀式というのは何かというと、人が通りそうなところにハチみ
つやにおいの強い魚の干物などがばらまかれてわざとクマが出てくるようにするわけです。そうするとテレビ
がすぐ騒ぐものですから、あんな民家の近くにあるいはあそこは小学校の通学路じゃないか、あんなところにクマ
が来るようでは大変だということで猟友会の方に連絡が行く。
猟友会の方はそれじゃ仕方ないなということで、やおら出ていってバンと撃つ。それで何人かで行くんでしょ
うけれども、小学生がかまれたら大変だったのに、撃ったAハンター、ありがとうございました、大変でしたね、
こういうふうになるんだと、こんな話でございます。
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(国会質疑引用が長くなりましたが、意見を続けます。)

日本のクマ政策は外国も注目しております。安易に「特区」での春グマ猟の復活など絶滅推進ならともかくも現代の保護・共存行政
のなか非常に不可解なものを感じております。重ねて国行政の卓見・分別を信じ、荒唐無稽な「マタギ特区」案への却下を要望致します。
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三通目送付内容

まあ特区提案者(おそらくは猟友会関係)は「伝統狩猟の復活」とかも入れ込んでいますが、実質は「カネにもの言わせて高性能銃に無線機
、 四輪駆動車に舶来の大型犬乗せて、森林を寸断する林道を駆け巡り・」の狩猟になってしまうことは明白。
「特区」が通って嬉々とする猟友会員らはほんの外見の一部に「伝統」をつけ足すだけで「行政よ、さあ、これが伝統狩猟だ」と言えば行政も
それ以上何も言えないだろうしね。

また、現代においては有害鳥獣駆除を除けばその「伝統狩猟」すら不要ですね。(※略)前述した高貴薬原料の熊の胆(ユウタン)に至っては密売(薬事法及び輸出の場合は ワシントン条約違反)が関の山でありましょう。 熊の胆については上記ニ通目送付内容を御参照
そして御当地阿仁では昭和56年には天才と呼ばれた老マタギが殺人事件を起こし逮捕されています。
こちら
前時代ならともかくマタギなど不要な趣味殺生の産物にすぎません。社会に不要なる輩は凶悪犯罪も越しましょうよ。

猟友会顧問代議士の宮路議員などが荒唐無稽な銃規制緩和・狩猟免許簡易化などを今年2月だったか環境省に陳情していますが、ハンタ-の犯罪頻発や銃や弾丸 の盗難頻発で上記陳情はまさに愚の骨頂。
阿仁の「特区」は、国民から総すかんをくらうであろう上記銃規制緩和・狩猟免許簡易化に与する性質ありですね。認めれば貴方方、構造改革特区担当者各位に良識ある 国民から論難がいくことは必定と考えます。

「特区」例えば広葉樹の植林作業の普及策等、健全で時代に必要性からもマッチした政策にお墨付きとして与えるべきですね。マタギ特区などという時代逆行・錯誤 の動きに与えてはなりませね。

蛇足ながら、猟期に入りたてのこの時期でも遺棄された猟犬が複数目撃されています。マタギ特区是認はこの観点からも却下が必要です。
まったく、趣味ハンタ-らに良心なし!
使えなくなった猟犬の遺棄・撃ち殺しについては(含狩猟者内部告発)
こちら
こちら (※リンク切れ)
こちら
こちら
こちら
こちら こちら(※リンク切れ)

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四通目送付内容

「マタギ特区」反対の意見を3通ほど貴部局にすでに個別に送付させていただいていますが、このたびその3通をファイル化しました。(読みやすくする為に)

それから拙コラムサイト記載の一連のアンチ趣味狩猟コラム こちら※(現時点で2003/12/12日付) も読んでいただければ幸い。
「マタギ特区」は時代に完全に逆行ですね。法やモラルさへ守れないハンターらのなんて多いことか・・・
それから狩猟の大部分は有害鳥獣駆除などではなく単なるレジャーであることも付記しておきます。 こちら

また手負いや半矢で未回収の不具鳥獣を創り出すこと等への特区での行政による促進など は特区自体の価値や評判を下げることが危惧されますね。 「マタギ特区」などではなく正しく活用されれば特区自体は大変よい発想・政策なのですから。
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五通目(最後)送付内容

さて、 秋田県へは既に自然保護団体ALIVE(地球生物会議)が意見書を提出しているようクマ問題 は単純に「特区」を許可する状態には決してないと考えます。

>秋田県ツキノワグマ保護管計画への意見書(2002年3月1日)
>「クマ保護対策の推進」と 「春グマ駆除の廃止」を求めます
こちら むろん当該意見書については貴当局も掌握はされているとは存じますが念の為。

加えてクマ牧場の問題もあります。上記自然保護団体のこの件でのお考え も御参照。こちら

また最近の報道でも
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ロンドンに本部を置く世界動物保護協会は4日、北海道や九州など日本国内8カ所のクマ牧場におけるクマの飼育環境に関する調査報告書を公表、「狭い施設内に詰め込まれるなど、劣悪な状況に置かれている」と非難した。
同団体は地球生物会議(本部東京都)と合同で、1991年からクマ牧場の実態を調査。最新報告書は「調査開始後、飼育状況はほとんど改善されていない」と批判する一方、日本政府や自治体に対し、早急に改善を指導するよう要望クマ牧場、環境劣悪と訴え 国際動物保護団体が調査
「日本のクマ牧場は飼育数が減少したが、劣悪な環境での飼育が続いている」。世界動物保護協会(WSPA、本部ロンドン)と地球生物会議(東京)が4日、東京都内で記者会見し、改善を訴えた。
こうした展示動物については、環境省も本来の習性に配慮した環境での飼育など「動物福祉の向上」を盛り込んだ飼した。
(ヤフ-ニュ-ス記載の「時事」報道)
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で、阿仁町にも公営のクマ牧場がありますね。
特区を許可すればいきおい問題鬱積のクマ牧場収容のクマが増え問題がさらに深刻化します。 加えてまたぞろ海外からご批判を浴びることが増えることにもなりますね。 特区はこの観点からもすべきではありません。

ツキノワグマは普段はおとなしくても手負い(半矢ともいう。撃ちそこないの未回収クマ)になれば人を憎みいたずらに凶暴になってしまいます。 趣味狩猟者らの趣味欲求を充実させるためにかかる状況をつくることが果たして分別ある行政とは言えるのでしょうか?答えはノ-ですね。
もとよりクマによる人への被害というのは冷静になって考えると上記ハンターらが因をつくった手負いクマによるものが多いのです。また、ハンタ-が被害を受けるコトは自業自得。また、厳しくいえば許可なき不法入山での山菜や松茸取りなども人間側に責があるのも私は否めないと考えます。
また、スズメバチでの死者は年間30人から四十人 こちら を鑑みれば例えば元来、臆病なツキノワグマではなく凶暴とされるヒグマ(北海道のみに生存) でも2001年の死者3人というのはわずかな数。そして前述のようにその中のハンタ-の死者例は自業自得。加えて厳しいかもですが許可なき入山での不法山菜採取などもそれに近いです。 ちなみに2002年、2003年は死者はゼロですね。

また先に紹介させていただいた こちら によると近年までも例えば自称マタギらと行政の癒着は例えば町長や町職員らへの熊肉の無償提供がありました。
むろん、現在については確証はありませんが町の異様なまでの特区への執着を鑑みれば 過去のこともあながち視野にいれないわけにはまいりません。また、よしんば現在は そのような腐敗行為がないにせよ、国民・県民からの余計な詮索がはいる余地があるということ は忘れないでいただきたいですね。
この意味からも「マタギ特区」への許可はすべきでないと考えます。

さて、「マタギ特区」を許可するかどうかの結論はいつ出るのでしょうか?これだけでも 一行返信の形でお教えくだされればありがたいのですが・・・・・・
また、貴特区関連当局に送付した一連の私の意見はちゃんと環境省などにも転送していただけているの ですかね?

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※後記
おかげさまで当該「マタギ特区」案は却下されました。
拙コラム 欄過去ログに戻る※2003年12月27日付(「マタギ特区」案は却下されました♪」 及び同12月31日付「同♪(2)」御参照。